活動報告

札幌HUG(災害時母子救護研修)2024

 

 2024年8月11日、北海道大学病院で災害時母子救護研修&医療的ケア児の災害対応が開催されました。
 
 本研修会は、HOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)が主催、一般社団法人WIND(北海道大学病院産婦人科 女性の健康と医療を守る医師連合)が共催となっております。

【災害時母子救護研修】
 医師、助産師、看護師、救命士、さらには福祉施設職員や行政職員の方々にご参加いただきました。
 「家を失った妊婦、褥婦、乳幼児はどこで生活するか知っていますか?」
 皆様はこの問いに対して、答えられるでしょうか。
 災害対策には3つの助が必要と考えられています。自助、共助、公助の3つです。リアルな災害を経験した方は「近助(近所)」、「便助(便所)」が必要とも言われております。
 頭で理解するだけではなく、行動ができるようになるためには…。自分たちは平時から何をしなければならないかを参加者全員で考える時間となりました。

【医療的ケア児の災害対応】
 今回も、鳥取大学医学部脳神経小児科の中村裕子医師をお招きし、開催しました。
医療的ケア児ってどんな子?といった、基礎的な内容から講義をいただき、実際に災害が起きたときの対応をシミュレーションできる研修会となりました。
皆様は、医療的ケア児が自宅外に避難しなければならない状況となったとき、どのくらいの必要物品があるかご存じでしょうか。人工呼吸器などの医療機器をはじめとする大量の必要物品があります。とても大人1人では搬送できません。それを誰が、どこに、どのようにして持っていくか。たくさんの課題がありそうです。
参加した方々の難題に対して考える姿や楽しい雰囲気で意見交換をする姿がとても印象的でした!

災害大国と呼ばれるほど災害が多い日本、日頃から対策できることがまだまだありそうです。引き続き開催を予定していますので、ご興味のある方はご検討ください。

最後になりますが、本研修会にご参加、ご協力、ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。

とかち広域消防局 帯広消防署
救急救命士 永井 雄平

札幌BLSOプロババイダーコース 2024

 2024年8月10日、北海道大学病院にてHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)主催によるBLSOプロバイダーコースを開催いたしました。

BLSO開催に関して、札幌市、NPO法人周生期医療支援機構(OPPIC)、HOPPIEクラウドファンディング協力金から多大なるご協力・ご支援をいただいております。また、北海道ハイテクノロジー専門学校からはシミュレーション用救急自動車のご協力をいただきました。

北海道の政令指定都市である札幌市での開催。道内外の多数の方に受講希望のお申込みをいただきました。なんと、将来助産師を目指している高校生からの申し込みまで!
北海道BLSOのニーズの高さが窺えた瞬間です。受講生24名、講師28名、チーム一丸となり、「母児の救命のために」を合言葉にコースに取り組みました。
今回のBLSOは色々な想いが詰まったコースとなっています。

その1つが「医療安全」。
妊産婦対応の第一走者である救急隊から、病院内の救命チーム、周産期チームにバトンを渡すとき、全チームが「母児を助ける!」の想いで対応をしています。その想いを最大限パフォーマンスとして発揮するには、各チームが一つの鎖のように繋がらなければなりません。その鎖を上手に繋げるために各チームが何をしなければならないか、何ができるかを真剣に考えました。

2つめが「託児サービス」。
妊娠、出産、育児が自身のスキルアップの妨げにならないように、むしろ育児中にスキルアップして復職できることが理想。との講師陣の熱い想いから託児サービスを設けてコース展開を考えました。利用された方も数名おり、需要があることも確認できました。利用者からの意見を吸い上げ、今後もより良いものとなるようにアップデートをと考えています。

今後も、受講生にとって満足度の高いコース展開を目指してHOPPIE一同励みます。引き続きのご協力と応援をよろしくお願いいたします。

とかち広域消防局 帯広消防署
救急救命士 永井 雄平

旭川BLSOプロバイダーコース 2024

 道北にBLSOプロバイダーコースがやってきた!

 5月26日、旭川BLSOプロバイダーコースが開催されました。
旭川医科大学産婦人科「周産期支援及び若手育成基金」 とHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会) のコラボ開催です。

 道北地区は分娩施設の集約化により、自宅から分娩施設まで2時間ほどかかる地域もあり、また、母体搬送も遠くは稚内から旭川という広域搬送地域のため、BLSOプロバイダーコースの潜在的なニーズは高いのでは?と常々思っていました。
 受講生の公募を開始すると、思った通りのお申し込み!さあ、嬉しい反面、さて、定員オーバーかも?とちょっと焦りつつ。しかし、そこはこの数年、HOPPIEメンバーで熟成させてきたチーム力を発揮し、当初より6名増員した受講生24名と講師陣27名で、楽しく真剣に学ぶ熱い1日を過ごしました。

 最近の北海道コースではteamSTEPPSを積極的にコース内に取り入れ、医療安全にも視点を向けています。活動エリアの違う救急隊と病院、そして同じ病院内でも救急部と周産期、それぞれのチームでの活動、そしてそのチーム間の連携が妊産婦、胎児、新生児の安全を守るということを共通認識できたのでは、と思っています。

 受講生の皆様、講師陣、その他本コースに携わりご協力頂いた皆様、「周産期支援及び若手育成基金」やクラウドファンディングでご支援下さりました皆様、本当にありがとうございました。

 HOPPIE一同、これからも切磋琢磨しながら進んで参ります。どうぞ、今後ともご協力、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

旭川医科大学病院 助産師 片山 恵理

旭川HUG(災害時母子救護研修)2024

 第9回 災害時母子救護研修会が終了しました

 5月25日、災害時母子救護研修会を無事終了しました。
本研修会は、旭川医科大学産婦人科「周産期支援及び若手育成基金」とHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)の共同主催かつ共催が一般社団法人WIND(北海道大学産婦人科)でした。

 災害時母子救護研修も、会を重ねて9回目です。今回は新たな試みとして、鳥取大学医学部脳神経小児科の中村裕子先生をお招きし、「医療ケア児の災害時対応」をテーマに取り組みました。在宅で医療ケアが必要な子ども達がいます。人工呼吸器や吸引、酸素、胃瘻等など。もし、災害が起きたらどうしよう?避難先は?搬送手段は?電源は?物品は?課題がたくさんあること、そして、今できることは何か、受講生講師陣、みんなで考える時間になりました。
 今回も、受講生は、高校生や大学生、看護大学の教職員や行政職など、多種多様な方々にご参加頂きました(親子参加や夫婦参加もありましたよ!)密かに、リピーターも出てきております。本当にありがとうございます。

 災害対策について、まだまだ、やること、できることがありそうです。次は8月の札幌で開催予定です。ぜひ、ご興味のある方は、参加をご検討下さい。一緒にこれからのことを考えてみませんか?

 最後になりましたが、本研修会にご参加、ご協力頂いた皆様、基金やクラウドファンディングにご支援頂いた皆様に感謝いたします。

旭川医科大学病院 助産師 片山 恵理

北海道ハイテクノロジー専門学校 救急救命士学科3年生への講義

 

 2024年1月19日に北海道ハイテクノロジー専門学校の救急救命士学科3年生に向けて講義をする機会をいただきました。北海道ハイテクノロジー専門学校には、昨年11月に帯広で開催されたBLSOに教育用の救急車を使用させていただいただけでなく、その際の救急車内分娩講習の際の動画撮影も含め、多大なご協力をいただいております。そして今回、HOPPIEにとっても大変貴重な、学生向け講義を行う機会をいただきました。テーマは分娩介助と新生児蘇生、そして女性傷病者の評価についてです。

 近年はALSO/BLSOとも、コロナ禍の影響もあり、多くの対面コースがシミュレーショントレーニングに重点を置き、講義はwebで受講、という形がとられておりました。講師陣がコース内で講義を行う機会は限られており、我々としても実際に対面で講義をする機会をいただけたのは、とてもありがたいことでした。

 2クラス合わせて100名近い学生達に対して、HOPPIEから有志を募り、11名の講師で担当させていただきました。座学に加え、分娩シミュレーターや新生児蘇生シミュレーターで実際に体を動かしていただきましたが、想定していた以上に学生の皆さんは熱心で、私たちにとっても大変良い刺激になりました。受講後の感想としても、よい経験になった、勉強になった、この経験を忘れずに活動していきたい、などなど、うれしい声をたくさんいただいております。
 座学だけではイメージのつかみにくい、分娩や新生児蘇生について、実際に体験していただくことで、少しでも周産期症例に対する抵抗が少なくなってくれればと思います。そして、この後救急救命士となったあとも、母子の安全を守るため、同じ気持ちで活動していただけることを願っています。
 
 今回、私たちの新たな取り組みとして、学生向け講義を行いました。次の世代への種をまく、大事な活動と考えています。母子の安全を守る、という共通の目標に向かう仲間の輪が広がるよう、わたしたちも改めて頑張ろうという気持ちになりました。ありがとうございました。

 北海道大学 産婦人科医師 松宮寛子

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