活動報告

2025 ハイテク BLSO 開催報告

第2回 ハイテクノロジー専門学校BLSOプロバイダーコース 2025

 2025年1月11日、北海道ハイテクノロジー専門学校でBLSOプロバイダーコースを開催しました。
昨年に続き、2回目の開催です。
本コースは、「さっぽろ連携中枢都市圏事業」として札幌市から多大なるご支援を頂いております。また、北海道ハイテクノロジー専門学校からは会場や資機材、トレーニング用救急車など全面的なご協力を得ております。本当にありがとうございます。

 今回は受講生29名、講師陣33名、総勢62名のメガコースでしたが、大きなトラブルもなく、受講生も全員合格!という、嬉しいコースになりました。

 受講生と一緒に、講師陣もBLSOを通じて学びを深めているteamSTEPPS。今回は「心理的安全性」について、高知医療センターの林和俊先生にスペシャルレクチャーをお願いしました。1日かけて学んだteamSTEPPSは「ああ、そういうことか!」と、理解が深まりました。そして、「明日から自部署でどうしていこう?」「組織の中で、自分に何が出来るだろう?」という、やる気と不安が混在する気持ちに、そっと背中を押して下さる先生の温かい言葉に勇気をもって帰路についた受講生や講師陣は多かったと思います。

 また、今回はコース後のHOPPIE入会希望者が過去最多でした!「仲間に入りたい」と思ってもらえるような講師チームに成長できていることに、嬉しさと共に、身の引き締まる思いです。これからも、知的好奇心をくすぐる魅力的なコースの開催と共に、心理的安全性のある講師チームを作っていきたいと考えています。

 実は本コースの定員は18名でした。しかし、予想を遙かに超える申込みがあり、ギリギリまで定員を増やして開催しました。道央だけではなく、道南、道東、道北からも申込みがあり、北海道におけるBLSOの需要の高さを改めて感じました。HOPPIEでは、来年度も継続してコースを開催していく予定です。今回受講が叶わなかった方、ぜひ、今後開催されるコースにお申し込み頂けたらと思います。

 昨年から導入している託児所は、今回も受講生、講師、共に活用しました。ライフイベントに関係なく学習を継続できるコースを目指して、今後も取り組んでいきます。

 受講生の皆様、講師陣、その他本コースに携わりご協力頂いた皆様、HOPPIEクラウドファンディングでご支援下さりました皆様、本当にありがとうございました。
HOPPIE一同、愉しみながら、お互い刺激し合いながら励んでいきます。これからも、どうぞ、ご協力、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

旭川医科大学病院 
救命救急センター 
助産師  片山恵理

第13回 災害時母子救護研修 in 福岡 開催報告

第13回 災害時母子救護研修 開催報告
第1回 危機管理医学会内セッション(2025年2月16日開催

2025年2月16日、福岡医師会館で開催された第1回日本危機管理医学会・学術総会にて、第13回 災害時母子救護研修を実施しました。今回の研修には、九州を中心に40名が参加。地元でのつながりがない中、多くの方々のご協力を得て受講者を集めることができました。本研修では、災害時の妊産婦・新生児・乳幼児の避難所支援をテーマに、災害関連死を防ぐための対応を考えます。急性期には「減災」、亜急性期には「生活の場」となる避難所について、避難所運営ゲーム(HUG)を用いたグループワークを実施しました。

今回は特に、鹿児島の救急郷中会から、姶良市ジュニア・リーダー「どんぐり」に所属する高校生3名が参加し、積極的に議論に関わってくれました。彼らは「どんぐり」でHUGを学んでいることもあり、意見の述べ方や議論の進め方が非常に洗練されていました。また、救急郷中会の「郷中教育」と、HOPPIEの若手育成の取り組みには多くの共通点があると感じました。どちらも地域社会に貢献する人材の育成を目的としており、今後さらに交流を深め、学びを共有したいと強く思いました。


研修を振り返って
HUG終了後、参加者や関係者から多くの温かいお言葉をいただき、改めてこの活動の意義を感じました。研修中はそれらしく話をしていますが、実はこの研修を始めたきっかけは、単なる「ノリ」でした。BLSOメンバーと「面白そうだからやってみよう!」という軽い気持ちでスタートしました。
しかし、初めてHUGを実施した際、寒い体育館に取り残された新生児(HUGカード)を目にし、「母子支援の啓発は必要だ」と強く実感したのが正直なところです。
今回の研修後、「ライセンス制度は?」「ファシリテーターの資格は?」という質問もありましたが、もともと「ノリ」で始めた研修ですので、そういったものは存在しません
それでも、試行錯誤を繰り返しながら、今回の研修が現時点での「災害時母子救護研修の完成形」になったと感じています。本当に、ここまで多くの方とともに学び、成長してきました。

最後に
今回、このような貴重な機会をいただいた第1回危機管理医学会大会長・細谷辰之先生に、心より感謝申し上げます。
「科学の成果は社会に最大限反映されるべきだ」
しかし、実際には現状維持が優先され、科学的な知見が軽視されることも少なくありません。時には、必要な科学的成果が完全に無視されることすらあります。
危機管理医学会は、「科学・生理学を根拠に、人類が直面する危機の軽減・除去の方法論を探る」という目的を掲げています。
その第1回のテーマは、「われわれはサピエンスたりうるのか?
深い問いかけです。
COVID-19の経験を経て、私たちは本当に学習できたのか?
学んだとしても、それを社会に反映できないのはなぜなのか?
まるで、自分の子どもに問いかけるような、細谷先生ならではのメッセージが込められているように感じました。
この意義深い学会の場で、災害時母子救護研修を開催し、私たちの活動を取り上げていただいたことに、心から感謝いたします。
参加者の皆様、ファシリテーターの皆様、本当にありがとうございました!!

北海道大学 産婦人科 齊藤 良玄

(高知医療センター・渡邉理史先生、世界医師会会長・横倉義武先生、齊藤)

札幌HUG(災害時母子救護研修)2024

 

 2024年8月11日、北海道大学病院で災害時母子救護研修&医療的ケア児の災害対応が開催されました。
 
 本研修会は、HOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)が主催、一般社団法人WIND(北海道大学病院産婦人科 女性の健康と医療を守る医師連合)が共催となっております。

【災害時母子救護研修】
 医師、助産師、看護師、救命士、さらには福祉施設職員や行政職員の方々にご参加いただきました。
 「家を失った妊婦、褥婦、乳幼児はどこで生活するか知っていますか?」
 皆様はこの問いに対して、答えられるでしょうか。
 災害対策には3つの助が必要と考えられています。自助、共助、公助の3つです。リアルな災害を経験した方は「近助(近所)」、「便助(便所)」が必要とも言われております。
 頭で理解するだけではなく、行動ができるようになるためには…。自分たちは平時から何をしなければならないかを参加者全員で考える時間となりました。

【医療的ケア児の災害対応】
 今回も、鳥取大学医学部脳神経小児科の中村裕子医師をお招きし、開催しました。
医療的ケア児ってどんな子?といった、基礎的な内容から講義をいただき、実際に災害が起きたときの対応をシミュレーションできる研修会となりました。
皆様は、医療的ケア児が自宅外に避難しなければならない状況となったとき、どのくらいの必要物品があるかご存じでしょうか。人工呼吸器などの医療機器をはじめとする大量の必要物品があります。とても大人1人では搬送できません。それを誰が、どこに、どのようにして持っていくか。たくさんの課題がありそうです。
参加した方々の難題に対して考える姿や楽しい雰囲気で意見交換をする姿がとても印象的でした!

災害大国と呼ばれるほど災害が多い日本、日頃から対策できることがまだまだありそうです。引き続き開催を予定していますので、ご興味のある方はご検討ください。

最後になりますが、本研修会にご参加、ご協力、ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。

とかち広域消防局 帯広消防署
救急救命士 永井 雄平

札幌BLSOプロババイダーコース 2024

 2024年8月10日、北海道大学病院にてHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)主催によるBLSOプロバイダーコースを開催いたしました。

BLSO開催に関して、札幌市、NPO法人周生期医療支援機構(OPPIC)、HOPPIEクラウドファンディング協力金から多大なるご協力・ご支援をいただいております。また、北海道ハイテクノロジー専門学校からはシミュレーション用救急自動車のご協力をいただきました。

北海道の政令指定都市である札幌市での開催。道内外の多数の方に受講希望のお申込みをいただきました。なんと、将来助産師を目指している高校生からの申し込みまで!
北海道BLSOのニーズの高さが窺えた瞬間です。受講生24名、講師28名、チーム一丸となり、「母児の救命のために」を合言葉にコースに取り組みました。
今回のBLSOは色々な想いが詰まったコースとなっています。

その1つが「医療安全」。
妊産婦対応の第一走者である救急隊から、病院内の救命チーム、周産期チームにバトンを渡すとき、全チームが「母児を助ける!」の想いで対応をしています。その想いを最大限パフォーマンスとして発揮するには、各チームが一つの鎖のように繋がらなければなりません。その鎖を上手に繋げるために各チームが何をしなければならないか、何ができるかを真剣に考えました。

2つめが「託児サービス」。
妊娠、出産、育児が自身のスキルアップの妨げにならないように、むしろ育児中にスキルアップして復職できることが理想。との講師陣の熱い想いから託児サービスを設けてコース展開を考えました。利用された方も数名おり、需要があることも確認できました。利用者からの意見を吸い上げ、今後もより良いものとなるようにアップデートをと考えています。

今後も、受講生にとって満足度の高いコース展開を目指してHOPPIE一同励みます。引き続きのご協力と応援をよろしくお願いいたします。

とかち広域消防局 帯広消防署
救急救命士 永井 雄平

旭川BLSOプロバイダーコース 2024

 道北にBLSOプロバイダーコースがやってきた!

 5月26日、旭川BLSOプロバイダーコースが開催されました。
旭川医科大学産婦人科「周産期支援及び若手育成基金」 とHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会) のコラボ開催です。

 道北地区は分娩施設の集約化により、自宅から分娩施設まで2時間ほどかかる地域もあり、また、母体搬送も遠くは稚内から旭川という広域搬送地域のため、BLSOプロバイダーコースの潜在的なニーズは高いのでは?と常々思っていました。
 受講生の公募を開始すると、思った通りのお申し込み!さあ、嬉しい反面、さて、定員オーバーかも?とちょっと焦りつつ。しかし、そこはこの数年、HOPPIEメンバーで熟成させてきたチーム力を発揮し、当初より6名増員した受講生24名と講師陣27名で、楽しく真剣に学ぶ熱い1日を過ごしました。

 最近の北海道コースではteamSTEPPSを積極的にコース内に取り入れ、医療安全にも視点を向けています。活動エリアの違う救急隊と病院、そして同じ病院内でも救急部と周産期、それぞれのチームでの活動、そしてそのチーム間の連携が妊産婦、胎児、新生児の安全を守るということを共通認識できたのでは、と思っています。

 受講生の皆様、講師陣、その他本コースに携わりご協力頂いた皆様、「周産期支援及び若手育成基金」やクラウドファンディングでご支援下さりました皆様、本当にありがとうございました。

 HOPPIE一同、これからも切磋琢磨しながら進んで参ります。どうぞ、今後ともご協力、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

旭川医科大学病院 助産師 片山 恵理

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